JBN 学生部会企画 ~私のクマ研究・活動紹介~ 第 3 回
天塩研究林におけるヒグマのアリ食について
北大ヒグマ研究グループ 3 年 三枝弘典
北大クマ研は40年ほど、北大の天塩研究林でヒグマの生態調査を実施してきました。今回は昨年の夏に行ったクマが食べるアリの話を紹介します。
研究林に生息するアリの種類を調べるために、林内に囲いを作り、その中のアリを調べました。その結果、クシケアリの仲間とケアリの仲間が多く見つかりました。一方でクマの糞を分析した所、アカヤマアリの仲間とケアリの仲間が多く含まれていました。
これらから、ケアリの仲間については広く分布しているために、クマによく食べられる可能性が示唆されました。またアカヤマアリの仲間は、目立つアリ塚を作るために他のアリよりも巣が発見されやすいのではないかと思います。今回は調査できませんでしたが、1巣当たりに多くのアリがいる種を好む可能性も考えています。
そんなこんなをしていると、働かない働きアリの研究をする研究室に入っていました…クマも奥が深いですが、アリも奥が深いと感じる今日この頃です。